大家さんに、オレはなる!2

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前回の続きです。 前回は当たり障りのないことを書きましたが、今回は「大家業の心得」をよく知ってもらいたいというホンネを述べたいと思います。

私は、不動産業者、賃貸管理業、大家業を、富山と東京でやってきたので、いろいろな立場の人の気持ちがわかると思っています。

3.不動産業者や管理業者、入居者との付き合い方

お金を費やせば、入居者募集や維持管理は業者に任せることができます。これは前回「強み」と言いました。しかし、それと同時に「業者との正しい付き合い方」ということを意識してもらいたいのです。

入居者募集は、不動産業者に「仲介手数料」(家賃の1ヶ月分)を支払うことで任せられます。賃料回収や維持管理は、管理業者(不動産業者が兼任することが多い)に「管理委託料」として月額賃料の5~10%を支払うことで任せられます。

注意点の1つ目は「どの業者に任せるか」です。大家の無知につけ込んで不要な家賃交渉をされたり、過度な修繕費見積もりを持って来たりするので、大家も勉強しなければなりません。

2つ目は「対等に話ができるかどうか」です。業者が上から目線で話す場合もあれば、大家が頑固でクセがあって難しいという場合もあります。

 

ここで私が富山に来て「これはマズイな・・・」と思った体験談をお話します。

お金がかかるので不動産業者や管理業者を間に入れたくない

ビルの一角を店舗として貸しておられる大家さんがいました。貸室の窓に「テナント募集」と電話番号だけ書いてあるような状態でした。ちょうど当てはまるお客様がいたので、電話をして中を見せてもらうことにしました。お客様は場所と雰囲気を気に入ってもらい、前向きに検討されていました。

契約の話を進めようと電話で話していると「仲介手数料(紹介料)を払いたくないから、不動産屋は通したくないのよね」ということでした。私が紹介したお客様から賃料の1ヶ月分をいただければきちんと仕事になるので「大家さんからは手数料いただきませんから、契約書の作成など、お客様とのご契約に向けて準備させていただけませんか?」と尋ねたら、「うちは昔っから不動産業者は通していないの。契約書もちゃんとあるから、入らないでもらえる?」と言われました。

悪質ですね、客だけ紹介させておいて、礼すらないとは。というか、富山ではこんな非常識な人が大家をやっているのかと、悲しくなりました。東京では紹介料として賃料の2ヶ月分払ってくれる大家さんもいる(ここで書くのはややグレーな話ですが・・・)のに。不動産の取引として責任あるやり取りをしているので、こういう対応は大家として私は許せません。お客様には事情を話し、大家さんと直接話をしてもらい、契約に至りました。

その後、お客様から話を聞きましたが「物件はとても気に入っているけど、看板の付け方などいろいろダメ出しされましたわ。前のテナントが残した造作をうまく使ってほしいから、壊さないでくれだと。」とグチっておられました。

大家としての自覚が少なく「ワタシが大家なんだから、言うこと聞け」と高慢な態度になる傾向が強いのです。やや行き過ぎた典型例ですね。

 

勝手に入って来る

別の大家さんです。ある物件に、学習塾をされたいというお客様をご紹介しました。広い空間の割に賃料がリーズナブル。ただし、特殊な間取り・設備なのでうまく当てはまる人でないと使いこなせない、そんな物件でした。お客様も自分に使いこなせるか悩んだのですが、何度か通って見て、ここで始めたいと決めていただいたのです。

そして、塾の開講に向けて看板の話をすると「この看板じゃダメだ」「独特さを出さず無難なものを作ってもらいたい」「開講準備中だろうが、他の入居者もいるから室内を見えないようにしてほしい」と次々と要望を出す始末。挙句の果てに、内装準備が進んでいるかどうか、入居者不在のスキを見て、合鍵を使って大家が勝手に侵入。これにはお客様も大激怒。「不法侵入ですよ!!」と言われました。ごもっともです。

 

大家になる人の大事な心構え。それは「自分の大事なものを貸してやっているのだから」という心から来る賃借人へのパワハラをしてはいけない、ということです。「借りて使ってくれている、賃料を払ってくれている」という感謝の気持ちを絶対に忘れてはいけない、ということです。

逆もあって、借りている人が「大家なんだから、どっか不都合があったら、全部直してよね、フン!」という態度の借主もいますけれどもね。(最近の私の悩みです・・・)

ういうことを引っくるめて、大家業をやりたいかどうかの判断をしていただければ幸いです。まぁ、お金を払って管理会社に全部任せる、というのももちろんアリですけどね。

結構面倒なことがあるけれども不労所得は魅力、でも仕事としてやり甲斐ってあるのかな?と思う人のために、次回はもう一つの心得を述べてみたいと思います。